新型うつの分類

新型うつの分類

症状別に「非定型うつ」 「双極性障害U型」 「適応障害」 「不安障害」に分類

軽そうに見えて治りにくいというやっかいな「新型うつ」だが、この表現は正式名称ではありません。従来型うつ病は「大うつ病(重いうつ病)」という名称で新型うつと区別されていますが、新型うつは、その症状によって「非定型うつ」「双極性障害U型」「適応障害」「不安障害」などと呼ばれ、医師によって見解が様々なのが現状です。

 

「新型うつが増えた要因を何だと考えますか?」と専門家に問うと、大きく分けて3つの答えに集約されています。

 

1)社会的背景・特に若者の変化。
2)メディアの取り上げ方の変化。
3)診断基準と新薬の登場。

 

この3つに関連性があるようには思えませんが、一つ一つ検証してみましょう。

 

(1)社会的背景・特に若者の変化

 

 若者の変化。について言えば、新入社員を対象にした意識調査で、2000年前後から「入社の動機」に関する調査で異変が起きています。会社を何を基準で選んだか?という4択の問いに対して「将来性」等は下り坂なのに対して、「仕事が面白い」という項目が急上昇しているのです。

 

本来、入社前後に「仕事が面白い」なんて感じる訳が無いのに、この結果があるという事は、就職氷河期を勝ち抜いた自信が「出来る自分」という偶像を作り上げ、自分への期待値が「仕事が面白い」にすり替えられてしまった結果だと推察できるのです。

 

しかし、会社生活が始まるとストレスフルな生活が始まり、架空の偶像である自己像が打ち砕かれ、心のバランスが崩れてしまうのです。従って偏差値の高い大学出身者の方が自分に対する期待値が高い分、「新型うつ」の発症率も高くなっています。

 

社会人としての処世術や常識に欠ける分だけ自分の意見や思惑が通らないとガクっと心が折れてしまうのです。

 

専門家の中には家庭の変化が影響しているとの指摘もあります。今の若者は大事に育てられ、危険な物には親が触れさせないように庇って来たので、ストレスに対する経験値が低過ぎるようです。

 

その上、学生時代に対人関係や相手の目を見て話せないという不安障害や電車に乗ると動機や発汗がして、苦しくなるというパニック障害を経験していたりする場合が多く、そのまま、企業という縦社会に入って不条理に直面し、いっきにうつが進んでしまう。という例が多く見られます。

 

(2)メディアの取り上げ方の変化

 

メディアの取り上げ方の変化。について言えば、「ルーピング効果」という社会現象が一つ上げられます。これは、ある病名がマスコミを通して問題化されると自分がその病気かもしれないと疑った人々が大挙して専門医を訪ね、結果的にその疾患が増える要因になってしまう。という現象の事です。

 

うつ病に関しても1996年には「うつ」という文字の入った出版物は4冊だったのに、2011年には33冊も出ています。うつのドラマなどもあって、身近な存在になったのは事実ですが、メディア、特にネットによる新型うつの広がりを見のがすわけにはいきません。

 

オンラインゲームにはまり過ぎてうつ症状になった人もいれば、うつの人のブログに共感し、この人がうつなら私も…。と気付いて病院に来る人も増えています。自分のうつ生活をネットで毎日アップしている人もいます。ネットとうつの因果関係は不明ですが、何らかの相関関係はありそうだと考えている専門家も複数居るようです。

 

(3)診断基準と新薬の登場

 

 1990年に世界保健機関(WHO)によって定められた精神疾患に関する診断基準「ICD10」と1994年にアメリカ精神医学会が発表した「DSM-W」によって、精神医学の世界は大きく様変わりしました。特に後発の「DSM-W」が臨床に与えた影響は絶大なものでした。

 

このチェックリストに適合すれば、16種類の精神疾患の診断が出来てしまうのですから、医者にとっての拠り所となるのに多くの時間は必要ありませんでした。「DSM-W」以前の精神科は、決まった診断基準が無かったので、個々の医師によって、病名さえ一致していなかったのです。

 

臨床の現場では慎重を期すため、入念な聞き取り調査をし、抑うつ状態などの状態像を把握し、数週間様子を見て、初めて薬を指示するという慎重さでした。世間の精神疾患への偏見も強く、病名を声高に述べると患者やその家族に与える影響が大き過ぎたのです。

 

しかし、「DSM-W」が定着すると、すぐに診断が下せるし、適切な治療法も指示できるので確定的な診断が可能になったのです。その上、世紀の変り目にに画定的な新薬が登場した事で大きく医療現場が変わりました。

 

脳内のセロトニン(神経伝達物質)濃度を維持する事で、うつ状態になるのを防ぐSSRIと称される薬の登場でした。しかも、副作用が既存の薬より極めて少ないのも医師たちには朗報となったのです。朗報なだけでなく、精神科の医師が急増したのもこのためでした。

 

1996年には1万百人だった精神科の医師が、2010年には1万四千二百人。と、1.4倍になり、精神科の診療所は1996年には3198軒、診療内科は、662軒しか無かったのが、2008年には、精神科が5629軒、心療内科が3775軒と合計では2.4倍ですが、心療内科だけを比べてみれば、12年間で5.7倍に増えた事になります。

 

「精神科」の看板は潜りにくくても、「心療内科」の看板なら潜りやすい。という患者の心理を狙ったものだと言えるでしょう。

 

診療報酬の改定も影響していると示唆する関係者もいます。1996年以後の中医協(中央社会保険医療協議会)の診療報酬の見直しで、病院における診療報酬よりも診療所の診療報酬の方が高く改定され、大手病院までが入院施設を持たない精神科を外部に独立させ、診療所として運営するように様変わりしていったのです。

 

1990年代まではうつ病など精神疾患への偏見やタブーは存在していたのですが、ここ10年で理解が進み、偏見やタブーが薄れてきたのは良い事なのですが、昔なら白い目で見られるのが嫌で来なかった軽い症状の人。いわゆる「新型うつ」の人が気軽に心療内科を訪れるようになった事で、「治療は嫌だけど、診断書は欲しい。」などという不謹慎とも言える患者が出て来る結果となったのです。

 

何度も繰り返して申し訳ありませんが、ここまで否定されても、私は「新型うつ」もれっきとした病気だと思います。「診断基準に当てはめるとうつの部類だから。」という理由ではありません。

 

「どんなに普段の生活がスムーズに出来ても、職場の人間関係のささいな軋轢が原因」であってもその人にとっての軋轢の大きさは他人が決める事では無いと思うからです。

 

 

 

※このレポートはバーミリオンハートのブログからの転用で、、カウンセラーである貝増が池田登式セラピーを行う中で得た現場での体験、また心療の医師のレポートなどから、最新の新型うつに関する情報をまとめ、掲載しているものです。治療に関しては医師の行う治療情報ということです。

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